クエスト:話し相手、求む!!
依頼内容
ばあさんに先立たれてから、もう数か月。
話し相手、けんか相手もおらんなって、毎日がつまらん。
年取って仕事もできんし、趣味もない。昼から、酒を飲んどるぎりじゃ。
一人で飲む酒も、うもうない。
このままでは、ボケてしまうかもしれん。
誰ぞ、話し相手になってくれんかのう。
■解説
私の祖母は、バリバリの商売人で、粋ではきはきとした人でしたが、祖父が亡くなった途端、一気に衰え、認知症になってしまいました。
また、知り合いのじいちゃんも、剛毅な人でしたが、子どもさんがいる街へ転出すると、周りに話し相手もなく、老け込んでしまったそうです。
やはり、コミュニケーションは、とても大事で、認知症の予防にもなっているのでしょう。
認知症の予防については、地域の人たちも関心が非常に高く、市の主催で認知症予防教室が開かれた際、多くの人が参加をされていました。普段は、学習会などに参加しそうにないおじさんなども参加していて、びっくりしました。
特に、一人暮らしのお年寄りに向けた取組は、全国的にも行われているようですね。
以前、何かで読んだものとしては、役場の職員が、小さなことからでも地域貢献したいと、一人暮らしのお年寄りのところに出向いて、一緒に酒を酌み交わしながら、話をしたという記事がありました。
もう十年以上は前の話ですが、おじいちゃんが嬉しそうな表情をしていた写真を思い出します。
お年寄りは、多くの経験、そして、知識・知恵の袋を持っています。
私も、地域柄、古老たちとお話しすることが多いのですが、昔話が面白く、聞く度に、新しい話が飛び出します。
正直、「話し相手をしてあげる」なんて、おこがましいものではなく、先輩たちの話を聴かせてもらい、できるだけ、今のうちに、動画や音声などの記録をとっておくべきだと考えています。
でなければ、後世に語り継げず、歴史が亡失してしまうでしょう。今も、もうすでに、分からないことが多くあります。
何を話していいのか分からないのなら、昔の写真や、使っていたであろう民具などの道具、古い地図などを見てもらいながら、きっかけを作ればよいかと。
「回想法」といって、昔の道具などに触れながら、昔の経験や思い出を話し合う手法で、認知症予防にもつながると言われています。
あくまでも、対等な立場、また、相手を敬う気持ちを持って、お話をしましょう。くれぐれも、話をしに来てやったんだなんて、傲慢な態度はご法度です。
自分の経験値も高まると思いますよ。